山梨肺癌研究会会誌 第19巻1号 040-046(2006)

肺癌外科治療の適応拡大−その限界は?

近藤晴彦

要旨
 化学療法が進歩してきたとはいえ、肺癌の大部分を占める非小細胞癌においては依然、外科的に完全切除を行うことが治癒への必要条件と言っても過言ではない状況である。しかし、発見時に局所進行癌であったり、低肺機能であったりして、切除をためらう症例も少なくない。閉塞性換気障害に関しては、成書に記されている機能的基準を下回っていても耐術な場合が少なくない。また、解剖学的には、心臓血管外科的なテクニックを応用することなどにより、通常の切除範囲を超えた浸潤例に対しても完全切除が可能
なことがある。しかし、いずれにせよ、そのような切除限界に挑戦する場合には、十分なICと慎重な適応評価、習熟した手術手技、周到な周術期管理が重要であることは、いうまでもない。




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